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「国交省・生産性革命プロジェクトとタクシー定期券」

 今回は「国交省・生産性革命プロジェクトとタクシー定期券」を書こうと思います。

 現在、国が推し進めている生産性向上のための施策に「生産性革命プロジェクト20」というものが有ります。

 国交省のパンフレットによれば「我が国は人口減少時代を迎えていますが、それを上回る生産性の向上があれば、経済成長を続けていくことは十分可能です。こうした考えの下、「国土交通省生産性革命本部」を設置し、国土交通分野の生産性向上に取り組んでいます。」と記載してあります。具体的には下記の20の生産性革命プロジェクトについて紹介しています。

1. ピンポイント渋滞対策、2.高速道路を賢く使う料金、3.クルーズ新時代の実現 (訪日クルーズ旅客500万人の目標実現に向けて)、4.コンパクト・プラス・ネットワーク(密度の経済で生産性を向上)、5.不動産最適活用の促進(土地・不動産への再生投資と市場の拡大)、6.インフラメンテナンス革命(確実かつ効率的なインフラメンテナンスの推進)、7.ダム再生(地域経済を支える利水・治水能力の早期向上)、8.航空インフラ革命(空港と管制のベストミックス)、9.i-Constructionの推進 、10.住生活産業の新たな展開 (既存住宅流通・リフォーム市場の活性化)、11.i-Shippingと j-Ocean 「海事生産性革命」強い産業、高い成長、豊かな地方、12.物流生産性革命 (効率的で高付加価値なスマート物流の実現)13.道路の物流イノベーション (トラック輸送の生産性向上)14.観光産業の革新(光産業を我が国の基幹産業に、泊業の改革、15.道イノベーション(“日本産資源創出戦略)、16.鉄道生産性革命 (次世代技術の展開による生産性向上)、17.ビッグデータを活用した交通安全対策 18.「質の高いインフラ」の海外展開(巨大市場を日本の起爆剤に)、19.クルマのICT革命(自動運転×社会実装)、20.気象ビジネス市場の創出

これは昨年の2017年に選定されたものになります。我々運転手に関系が有ると思われるのは、1、17、19位です。



 国交省は平成28年を(生産性革命元年)、平成29年を(生産性革命の前進の年)と呼んでいます。

このプロジェクトにタクシー・バス分野を新たに追加し、「タクシー定期券」や「地域間でバスドライバーを融通し合う仕組み作りを新たに加えました。

 自動車局の局長は、「鉄道の定期券のような定額タクシーの実証実験を行い、割安感の創出で需要喚起と利便性向上を図る。迎車料金を時間帯で変動させ、需要の平準化や閑散期の需要創出で実車率を向上させる」と述べています。

では「需要の平準化」とはどういう事なのでしょう。?需要の平準化とは需要を平準化するような施策を採る事を言います。特にサービス業にとっては重要な施策で、料亭では、閑散期では季節割引を行って需要を喚起したり、繁忙期だけ料金を高くしたりして需要を押さえるといった事が行われています。

 電力業界では、ピークシフトと呼ばれ、夜間電力などを利用して、電力を消費する時間帯をずらして、電力需要ピーク時における電力消費を抑える事の様です。

局長が言っている様に「変動迎車料金」は迎車料金の平準化です。「全タク連」が取り組む事項とした11項目にダイナミックプライシングの「変動迎車料金」と「定額運賃」=タクシー定期券が入っています。

 局長は「定額タクシー」=割安感の創出で需要喚起と利便性向上が図れ、「変動迎車料金」では需要の平準化と閑散期の需要創出が出来る、と言っています。

「定額タクシー」の実証実験に手を上げるのは・・・又日本交通ですかね?。 

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大和、変動迎車料金実験参加見送り

  今回は、大和自動車が変動迎車料金に関する実験参加を見送った事を書こうと思います。

 以前、「変動迎車料金」実証実験開始の事を書きました。その時は、東京4社の日本交通と大和自動車交通が名乗りを上げていましたが、最近、大和が不参加を表明しました。31日まで参加事業者を受付てている様ですが、現時点では大和の不参加で、日交グループの子会社や業務提携先を含め、全46社4,527台が参加する事になりました。

 大和の不参加の理由は、「乗客の混乱を考慮」して不参加の結論に至った様です。これは信和事業協同組合の総会後の懇親会で大和の社長が語った様です。

 信和事業協同組合とは、東京都内のタクシー協同組合で、東京無線協同組合、チェッカーキャブ無線に次ぐ第3位の東京のタクシー協同組合になります。

 平成23年に大和自動車交通と提携行い、車両仕様・乗車券・無線配車なども含めて同社にグループ化されました。大和のホームページにはグループ会社と紹介されていて、全30社2,503台となっています。

 その総会の懇親会で、「安い料金はまだ良いが、高い料金も出てしまう。業界全体でやらなけらば・・・」と語っています。

 何を今更・・・感です。何度も言っていますが、最初から分かっていた事です。運賃の値下げをすれば迎車料金との差は縮小します。初乗り410円、迎車料金310円でその差は100円です。

 初乗り運賃は料金だけで見ると、距離は短くなっているとはいえ730円の56%です。ならば迎車料金も56%の170円位にすれば、初乗りの距離が短くなった事を考えず値段だけ考えれば整合性が取れます。有体に言えば値段の「つじつま」が取れます。何も実証実験など行わなくても、利用者にとっては歓迎のはずです。よろしく無いのは収入が減るタクシー事業者だと思います。いっそ迎車料金など無くしてしまえば・・・と、思います。

 逆に高くしてしまえば、タクシー業会はどうみられるのでしょう?

 いくら閑散な時間帯の迎車料金を0円にすると言っても、朝などの繁忙時間帯の料金が現在の310円から高くなる様では「本末転倒」です。現在、問題になっている「初乗り運賃と迎車料金の差が小さい」換言すれば、「現在の迎車料金が高い」事は根本的に解決されないと思います。繁忙時間帯に無線を使って410円乗っていた人は高くなります。下手をすると迎車料金の方が高くなる事も有りえます。



 タクシーの繁忙時間帯は朝の通勤時間帯です。無線の繁忙時間帯は分かれませんが、もし朝の通勤時間帯と重なるとしたら・・・

 タクシー事業者も、迎車料金の310円をどうするか?など、けち臭い事を言わず、いっその事0円にする位の事を考えたらどうでしょう?

 王子は胸を張って初乗り410円にしたと言っていますが、2,300円以上の距離を乗れば、実際は値上げです。初乗り410円は実質値上げなので、迎車料金くらいは0円でも・・・良い様な気がします。

 現在も「迎車料金=?」の利用者もいます。「朝タクシーをアプリで呼んだら、駅まで410円だったのに、迎車料金を500円取られたよ」何て事も・・・有りえます。
 

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