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「タクシー事業における働き方改革の実現に向けたアクションプラン」

 今回は「タクシー事業における働き方改革の実現に向けたアクションプラン」を書こうと思います。副題は“生き残るために、やるなら、今!”です。思わず「本当に生き残れるのか」と、突っ込みを入れたくなります。

 作成したのは、全国ハイヤー・タクシー連合会です。言い方を変えると、「タクシー事業者が生き残る為、今やるべき改革のアクションのプラン」ではないでしょうか。

 アクションプランの目標とアクションプランの目標達成のために取り組むべき事項に分けられます。

 目標は、①労働時間に関する労働基準法等関係法令及び改善基準の遵守、②タクシー利用者の利便性向上、利用者の増加、事業経営の効率化=減収につながらない労働時間の短縮 = 生産性の向上、③若年者や女性を始めとする運転者の確保・育成等、④時間外労働の上限規制について(年960時間を超える事業者割合を5年で0)、⑤年5日以上の年次有給休暇の取得(全員が取得できる態勢づくり)、⑥乗務員負担制度の見直し等賃金制度等の改善に努める。になっています。

 我々運転手の生活に関しては、②、④、⑥位ではないでしょか。

 次に目標達成のために取り組むべき事項は12項目有りますが、我々の賃金に関する様な事は、④生産性の向上や運転者の確保・育成等への各種支援措置等の要望、⑥業務の繁閑に応じた勤務シフトや変形労働時間制等の検討、⑦減収につながらない労働時間の短縮 = 生産性の向上、⑧個々の運転者の家庭事情や身体状況等に配慮した勤務時間制度の設定、⑩年5日以上の年次有給休暇の取得(全員が取得できる態勢づくり)、⑪乗務員負担制度の見直し等賃金制度等の改善に向けた労使間の協議。位です。

 参考資料によると、日車営収は、平成 13 年度の 3 万 0,951 円をピークに、平成 21 年度は 2 万 6,006 円まで減少。それ以降回復に転じ、平成 28 年度は 3 万 0,125 円の様です。又、タクシー運転者(男性)の年間労働時間は平成29年に2,268時間ですが、全産業男性労働者の平均の2,184 時間より84 時間長い。年間給与は、平成 3 年の 432 万円をピークに、平成 22 年は 278 万円まで減少し、平成 29 年は 333 万円になっているも のの、「全産業男性労働者の平均の約 6 割」。平均年齢は、上昇傾向にあり、平成 29 年は 59.4 歳、全産業男性労働者の平均より 16.1 歳高い。となっています。年齢は、普通の企業はピラミッドのようになっていて上の方の割合は低くなっていますが、逆にタクシー業界は、逆ピラミッドで、上の方の年齢の運転手が多いピラミッド構造です。、

 平成 28 年の労働時間に係る労働基準法違反の割合は、「ハイヤー・タク シー業が 44.7%となっているが、いわゆる 36 協定の未提出も含まれていると思われる。」また、総拘束時間に係る改善基準告示違反の割合は、ハイヤー・タクシー業が 23.2%だそうです。

 まだまだタクシー業界の問題点は多々有って困ってしまいますが・・・

 何れにせよ、タクシー乗務員は厳しい労働条件で勤務していても、収入は6割、勤務時間は年間84時間長い勤務で、報われない職業です。

 自分が考えるには、運転手が報われない全ての原因は、「悪しきタクシー業界の歩合制」の様な気がします。タクシーは乗務は、ほぼ運任せの仕事です。ほぼ運任せの仕事で、尚且つ歩合制・・・先ずこのままでは、「タクシー事業における働き方改革の実現に向けたアクションプラン」を作成・実行しても、この案では運転手の収入の6割減は埋まらないでしょう・・・何か悲しくなってきました。


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