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タクシー約款の問題点

今回は「タクシー約款の問題点」を書こうと思います。



 とりま、タクシーに乗車して目的地を乗務員に行き先を告げた瞬間に、両者の間には「旅客運送契約」という法律関係が成立します。いうに及ばず「契約」とは、「当事者間の合意の約束で、当事者間に法律関係を生じさせるもの」を指します。



 基本契約は「口約束」でも成立しますが、あとで「言った言わない」のトラブルを避けるため普通は契約書を書面でかわします。



 202041日から新しい民法が改正され、改正民法が施行されました。今回の民法改正の対象となる債権法の内容が抜本的に改正されたのは、明治29年に民法が制定されてから初めてのことになるそうです。



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交通機関の電車・バス・飛行機・タクシーなどの利用も、それぞれの交通機関が定めている「運送約款」も、「定型約款」として、改正民法において新たに盛り込まれたものです。



 前記さた様に、タクシーに場合は乗客と乗務員の間で「旅客運送契約」が締結され運行する物ですが、約款とは、「契約当事者の一方のみによって作成された契約条項の集合体」の契約書のことを指すので、一方通行の契約になります。



 この一方通行の約款取引は、「大量取引」が当たり前となっている現代社会であは、特に事業者対消費者の取引においては必要不可欠のものといえ、例えば、電車やバス・タクシーの様に多数の顧客のそれぞれと11件契約の詳細について合意しなければならないというのは、非常に不便だからです。



 一件合理的な様に見える約款ですが問題点が有り、それは⓵契約条項が「当事者の一方の意向」のみで作成されている・②約款取引の相手方には、条項を拒否する機会が事実上与えられていない・③約款取引の相手方は、個々の契約条項の詳細について理解していない場合が多い、事です。



 タクシーの約款は国交省が定めている「一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款」を使用している事業者が殆どだと思いますが、第4条の「運送の引受け又は継続を拒絶すること」の第4項は「当該運送が法令の規定又は公の秩序若しくは善良の風俗に反するものであるとき。」となっていて、法令の規定違反はある程度具体的にイメージ出来ますが、「公の秩序若しくは善良の風俗に反するもの」は非常に抽象的で乗務員それぞれに考えは違うと思います。



 「お客さん、定款の第乗4項に違反しているので乗車出来ません」とは(笑)で言えません。



とりま、「公の秩序」とは、国家、社会の秩序ないし一般的利益を指し、「善良の風俗」は、社会の一般的道徳観念を指すそうです。



 抑々、第4条の第1項「当該運送の申込みがこの運送約款によらないものであるとき。」と有るので、一通行の約款に従わなければタクシーに乗車する事は出来ない事になります。



 仮に乗客に乗車を断る時、「約款に書いて有り有ますから」と言った時、「その約款とやらを見せろ」といわれたら約款を提示する事は出来ません。



 まぜなら、約款は国交省が提示場所を「営業所での公示」と定めているからで、車両内には無くて草。



おそらく乗務員の方も乗客もタクシーに乗る時は「旅客運送契約」を締結するんだろ~ナ位の意識は無意識に理解はしていると思いますが、もう1つの「約款取引」をしている事を理解している人はほゞほゞいない様な気がします。



 10条は「第10条 当社は、旅客の故意若しくは過失により又は旅客が法令若しくはこの運送約款の規定を守らないことにより当社が損害を受けたときは、その旅客に対し、その損害の賠償を求めます。」となっているので、一方通のタクシーの約款には御注意を(笑)



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