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「中国のライドシェアアプリ・滴滴出行(DiDi」

 今回は「中国のライドシェア」を書こうと思います。

 中国におけるライドシェアアプリのシェアNO1は「滴滴出行(DiDi)」というアプリです。
 
 中国では爆発的経済発展により自動車の個人所有が一般化し、都市部では深刻な交通渋滞が生じています。又、タクシーは路上で捕まえにくく、白タクは違法営業である上にぼったくり被害の温床となっていたので、スマートフォンを使って配車から支払いまで一括で出来るライドシェアサービスはあっという間に市民に広がっていきました。

 中国では、スマートフォンの普及に伴ってモバイル決済も日常生活に浸透していて、スマートフォンを使ったキャッシュレスに抵抗がない事がライドシェアの利用を一層促進しました。

 2016年に中国政府は世界に先駆けて、合法的なライドシェアを運営するための条件を定める「インターネット予約タクシー管理サービス暫定措置法」を制定しました。ドライバーはネットワーク予約タクシー運転免許証いわれるライドシェア営業をするための許可証を取得して運行することなどが定められました

 2016年に中国政府が制定した上記ライドシェアを合法化する法律には、料金も政府や自治体が制定するものとしました。

 ウーバーは中国に進出しUber China(優歩)と名乗っていましたが、Uber Chinaは大都市での高級路線を狙ってドライバーの囲い込みに苦戦しました。一方滴滴出行は大都市から地方まで大凡1,500万人のドライバーが登録していて。、シェアの高さが圧倒的になりました。ウーバーは中国市場で苦戦し、ついにUber Chinaは滴滴出行との合併を受け入れることとなりました。事実上の中国撤退です。

 中国は政府の施策によりライドシェアが合法になり日本では白タク扱いです。換言すれば、中国はライドシェア先進国であり、日本はライドシェア後進国(非合法営業)で、2国間のライドシェアには大きな環境の違いがあります。

 日本国内の移動をライドシェアで予約してしまうという現象が増加しこれを越境タクシーと呼ぶ様ですが、これを許せば、国内のタクシーなど既存サービスがなりゆかなくなります。中国本土ではライドシェアは合法であっても、日本では認められていないのであれば本来は非合法な利用です。問題の日本国内の「中国の白タク」問題です。

 この越境白タクには、圧倒的な利便性の高さがあります。利用は国外であっても、国内から使い慣れたスマートフォンアプリを使って予約でき、普段と同じ決済方式出来、ドライバーは渡航先に住む中国人なので言葉の不便もありません。訪日中国人観光客にとって、これ以上便利な移動手段は有りません。

 この問題は、現地ドライバーとなる中国人が暮らすすべての国で起きている問題だと考えられます。現在の日本には、この訪日中国人観光客が利用する越境白タクを取り締まるための法律がありません。現金の受け渡しもないので、見かけ上中国人同士の単なる「お迎え行為」にも見え、知人同士だと言われてしまえば摘発は困難です。

 中国最大の滴滴出行が2018年春にも日本の第一交通産業と提携して、タクシーの配車サービスを開始する様です。

 この提携は第一交通のタクシーを滴滴出行のアプリを使って配車するものなので合法ですが、問題視され始めた同社のアプリを利用した越境白タク問題との兼ね合いは・・・

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