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実行再生産数の問題点

 今回は「実行再生産数の問題点」を書こうと思います。

 前にも書きましたが、実行再生産数は「実際に現実の社会で起きている再生産数」と言うことができる指標です。同じ様な指標に「基本生産数」と言う指標が有り、これは「感染者が、まだその感染症の免疫を1人も持っていない集団人口に入ったときに生み出す新規感染者数の平均値」の指標になる様です。

 「集団免疫」と言う言葉が有りますが、これは、人間は感染から回復した後、免疫を獲得し、同じ病原体によって再度発症することはまれになります。既感染者が増加すると再生産数は自然に低下するので、これを「集団免疫」と呼ばれます。要は、集団免疫を獲得していると、基本生産数が下がる事になります。当然、皆が免疫を持っているので新たな感染者がその集団に入って来ても新規感染者数の平均は下がる事になります。

 実効再生産数で重要なのは、それが1を下回るかどうかだと思います。1人の感染者が生み出す2次感染者が1人未満になれば、新規感染者数は減少に転じることを意味すし、実効再生産数が「1より大きい=新規感染者拡大」、「1=新規感染者は横ばい」「1未満=新規感染者は減少」となります。

 前にも書きましたが、実効再生産数=(直近7日間の新規陽性者数/その前の7日間の新規陽性者数)^(平均世代時間/報告間隔)の式で表します。一般的に(平均世代時間/報告間隔)は5日/7日になります。下のグラフは実行再生産数の直近までのグラフになります。7月29日の時点では自分が計算した数値は1.04になるので限りなく1に近い数値になります。直近1週間の感染者平均は258.1人、その前の週の平均は254.4人になります。
実行再生産数2.png

 雑に言うと(258.1人-254.4人)×7日≒26人しか増えていません。その為1に限りなく値数いています。

 ここ迄では、実行再生産数的には大丈夫」なんじゃネ、と思いますが下のグラフを見てみると、見た感じそうとも言えない様な気がします。これは1週間当たりの感染者の平均をグラフにした物です。

感染者平均3.png
 
 とても実行再生産数の数値だけで安心できない様な気がしますが・・・

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