SSブログ

累進課税と累進歩合

 今回は「累進課税と累進歩合」を書こうと思います。

 何方にも「累進」と言う言葉が付いています。「累進」と言う言葉を調べてみると、「数の増加につれ、それに対する割合がふえること。」となっています。

 累進課税とは、読んで字の如く「課税標準が増えるほど、より高い税率を課する課税方式」の事を指します。日本の累進課税方式の代表的な物は税収の多くを占める「所得税」と、「贈与税」です。以前は地方公共団体の住民税も累進税でしたが、平成19年度から一律10%(道府県税4%、市町村税6%)となりました。

 経済学者にも、公定な意見を持つ者と否定的な意見を持つ者に分かれている様です。
「肯定派」の意見は、「高所得者ほどワーカホリックに陥りやすいのであれば、累進所得税をかけることが対策として有効であると」主張しています。

 「否定派」の意見は、「現実の世界では、収入は本人の生産性と税率だけで決まるわけではない。例えば、運もある。運がよかっただけで高収入を得ている人は、累進課税で高い税率を課せられても働き方を変えるわけではない。たまたま得た収入に課税をするのが当然ではないか。それなのに従来のミクロ経済学者は、運が大切な要因であることを見過ごしている。最適税率に関しても見込み違いをしている可能性が高い」と言っています。・・WIKI先生から引用。

 累進課税方式には、①課税標準が一定額以上となった時、その全体に対してより高率の税率を適用する「単純累進税率方式」と、②一定額以上になった場合にその超過金額に対してのみ、より高い税率を適用する「超過累進税率方式」の2種類あります。

 この違いは、「単純累進税率方式では税率が課税標準の変化に応じて非連続的・階段状に変化するため、課税標準が増えた以上に税金賦課額が増加することがあり得るが、超過累進税率の場合はそのようなことはない。」とされています。

 翻って歩合給の算定を見ると、税の単純累進税率方式=累進歩合給、超過累進税率方式=積算歩合給のようです。草

 又、逆進税という物も有ります。これは、低所得者の所得に占める税負担の割合が高所得者の負担割合より大きい場合、例えば消費税やたばこ税、酒税などが有ります。億万長者でもタクシー乗務員のかうタバコに含まれるタバコ税は同額で、酒に含まれる酒税も然です。


 税を給料と見た時、国の累進税のデメリットはタクシー乗務員の歩合給のメリットになります。言い換えれば、税では、多く稼げば多く税金を支払わなければなりませんが、前記の様に「納税額」=「受け取る給与」とみれば、多く稼げば稼ぐ程多くの給料を受け取る事になります。

 換言すれば、税金授受主体=国=乗務員と見た時、単純累進税率方式を取っていれば税収=給料は増える事になります。国と乗務員がWINWINです。

 厚労省は、「累進歩合制度」については、「労働者の長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがある」事から、通達に基づき、廃止するよう指導を行ってます。

 通達とは前に書いた記憶があるのですが、「法令その他の権限に基づいて発する文書」が通達で、この場合は、指導と言う言葉が入っているので、法的な根拠は無く国交省の権限で発せられた文章なので、拘束力は無く、現に累進歩合制を取っている事業者はまだまだ多く有る様です。

 又、平成元年三月一日発基発第九三号の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」の第三労働時間等の取扱い及び賃金制度等に関する基準の(二)賃金制度等の(二)賃金制度等のイ保障給には、「イ歩合給制度が採用されている場合には、労働時間に応じ、固定的給与と併せて通常の賃金の六割以上の賃金が保障されるよう保障給を定めるものとすること」されています。換言すれば、歩合給の最低は60%という事になります。草

 又、又、ロの累進歩合制度については、「歩合給制度のうち累進歩合制度は廃止するものとすること。」とされていますが、都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達なので、歩合給の最低60%と共に罰則は有りません。

 禁止理由は、上記した様に「労働者の長時間労働やスピード違反を極端に誘発」が理由の様ですが、長時間労働は前にも書いた様に、名古屋エムケイが主張している様に「安全や過労防止のため既に「労働時間」が制限されています。スピード違反は本人の責任です。

 国に徴収する税金に累進はOKで、乗務員の歩合の累進はNOは・・・草

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:求人・転職