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タクシーの走行距離規制の裁判

 今回は「タクシーの走行距離規制の裁判」について書こ行と思います。

 前にも書きましたが、タクシーが1日又は隔勤で走れる距離は、各地方に有る運輸局の支部によって公示されて今ます。京浜交通圏では日勤270㎞、隔勤365㎞になっています。

 古い話になりますが、当概タクシーの「走行距離規制」を名古屋地裁が「違法」と判断しました。最高裁も2016年に、「国がタクシー運転手の1回あたりの乗務距離を制限したのは裁量権の乱用に当たるとして、タクシー会社「名古屋エムケイ」規制の取り消しなどを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷は、国側の上告を受理しない決定をしました。国の規制を違法とした2審名古屋高裁判決が確定した事になります。

 タクシー業界の距離規制は、2014年の道路運送法改正で新規参入が自由化され競争が激化し「労働環境悪化」などの指摘もあり、平成21年前後に複数の地域で乗務距離制限が設けられた様です。
 
 1審の名古屋地裁が「妥当性を欠く」と規制を違法と判断。2審の名古屋高裁も支持て、最高裁は国側の上訴を受理しませんでした。名古屋エムケイの主張は「安全や過労防止のため既に「労働時間」が制限されており、あらためて規制する合理性がない」という物でした。

 又、エムケイは「名古屋圏では当時、タクシー事故や速度違反は減少傾向」だったとして、「過労運転などを招きかねない長距離走行が頻発しているような状況ではなかった」と指摘し、中部運輸局の規制は妥当性を欠き、裁量権の濫用だとして提訴した様です。

 タクシーの「乗務距離制限」が始まったのは1958年頃の「神風タクシー問題」、即ち「タクシー運転者の乱暴運転・無謀運転」への対策(安全確保)とて、これは始まりました。が、実質的には「需給調整」の方法として取り扱われていました。

 「行政の裁量」による「需給調整」は、どうしても新規参入者に不利に働き、実際には「既得業界利益を優先する」ものになっていました。
 
 この乗務距離制限はいったんは、2000年に廃止されました。換言すれこの時点で、「需給調整」の必要性は無い事になりそうすると「輸送の安全確保」の問題に戻ったのだと考えることができます。

 「安全確保」に係わる規制を設ける時は、その規制が「営業の自由』にも配慮しながら妥当なのかを慎重に判断する必要が有ります。

 2009年に転機が訪れます。それは2009年度制定の「タクシー特措法」です。この法律は「タクシーの供給過剰改善」を目的とした物で、今回問題視とされた中部運輸局の公示もこれに基づいて出されていました。

 換言すば、この裁判の論点は、タクシー特措法の下での乗務距離制限規制を、「既存業界の利益を優先する為の需給調整」か、「営業の自由と、輸送の安全確保の調」か、どちらの視点で考えるべきなのか、だったの事の様です。

 判決は、「タクシー特措法の下」でも、需給調整規制の時代の法解釈は復活しない。という判断が示されたと事の様です。

 この判決は、法律でタクシーの乗務距離規制をすること自体は必要・合理的と認めたうえで、「名古屋では必要がなかった」と判断したものです。その他の地域や270キロという距離制限の是非については判断していません。

 エムケイグループが全国5地裁で同様の訴訟を提訴。名古屋以外の4件は、規制を違法として国の敗訴を言い渡し課したが、各地・高裁判決がすでに確定しているので、関連訴訟が最高裁で確定するのは初めてです。

 何だか365㎞の距離制限も、「首都高は距離に含んで、他の高速は距離に含まなくて良い」と・・・草
 
 換言すれば、東名の400㎞はOKで首都高を使った400㎞はNO・・・難しい事はさておき。なんか変で、「距離制限の規定」を「おかしいんじゃネ」と思うのは自分だけでしょうか?

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