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トヨタから(株)ジャパンタクシーへの75憶円の「論功行賞」

 今回は日交とトヨタの関係を書こうと思います。

 前にトヨタが日交系列の「(株)ジャパンタクシー」へ75億円出資という事を書きました。

 トヨタ自動車は8日、日本交通のグループ会社で配車アプリを開発する(株)ジャパンタクシー(東京・千代田)と資本提携すると発表しました。トヨタが第三者割当増資を引き受ける形で、2月中に約75億円を出資する様です。出資比率は非公開ですが、両社のノウハウや技術を生かし、走行データの収集・分析やタクシー向けの通信端末、配車支援システムなどで連携する様です。

 自分はこの事を聞いて、「たった75億円?」と思いました。前回も書いた様にGMはトヨタに先立って2016年1月にライドシェアサービス会社のリフトに5億ドルを出資すると表明し、VWもイスラエルのライドシェアサービス会社であるゲットに3億ドルを出資すると発表しました。これを考えると、出資金は非公表で私見ですが、トヨタはウーバーに前2社に近い金額を出資している様な気がします。

 75億円というとドルベースで、たった6千800万万ドルです。5億ドルの約13%の出資になります。

 自動車を1台生産するのにメーカー原価は約80%位だそうです。残りの20%の内10%はメーカーの利益、10%は販売店の利益だそうです。ジャパンタクシーの価格は、匠(上級グレード)で約350万円、和(標準グレード)で約330万円だそうです。

 オプションと値引きを考慮しないと、超アバウトですが、原価は約260万円~280万円になりトヨタの利益は33万円~35万円になります。

 タクシー王子は2020年のオリンピック迄に東京のタクシーの1/3 をジャパンタクシーに変えると意気込んでいます。その数約1万台です。単純計算ですがトヨタの販売額は、330万×1万台=330憶円~350憶円、利益額は33億円~35億円になります。

 現在のタクシー車両のシェアはトヨタが約80%を握っています。それに加えて、タクシー車両はテレビCMも必要なく、勝手にマスコミがジャパンタクシーの事を取り上げ話題にします。又、セダンタイプのタクシー車両は現在ジャパンタクシーのみになっています。

 以上を考えると、トヨタのジャパンタクシーは「美味しい商売」ではないでしょうか?話題性もあり、タクシー会社の車両選択肢が何より少ない事と、コンフォートに比べ価格も約100万円高く、購入に際し国からもUD車両として助成金が出ます。又、現在稼働中のコンフォートもいずれ買い替えなくてはならない事になります。全国の法人タクシーの数は平成27年で19万台有ります。

 すべてがジャパンタクシーに移行しなくても、かなりの数の販売が担保されていると思います。

 今回トヨタが「(株)ジャパンタクシー」に出資した75億円は、これからトヨタが得る利益に比べたら「雀の涙」程度の金額です。

 19万台×80%×35万円=5,320億円が今後ジャパンタクシーに移行した場合の利益になります。

 換言すれば、75憶円の出資はトヨタの「ジャパンタクシー」採用に対する、タクシー王子への「論功行賞」の様な気がするのは自分だけでしょうか?

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