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「タクシー王子の敵」

 今回は「タクシー王子の敵」を書こうと思います。

 王子は政府の「規制のサンドボックス」を非常に警戒している様です。前にも書きましたが、「規制のサンドボックス」は規制緩和策の意味で、新事業をやってみたい企業を後押しするために、政府が規制を一時的に停止する制度になります。

 王子は「白タク」、「自家用車ライドシェア」、「自動運転」をタクシー業界の敵とみなしている様で、「皆さんと一緒に戦いながら、タクシー業界の未来を築きたい。それが会長に与えられた役割だ」と全国ハイ・タク連合会の経営委員会で王子が出席して意見を述べました。

 又、ライドシェアに関して「規制改革推進会議」、「規制サンドボックス」などの政府の施策を引き合いに出し、「必死にタクシー業界のために言うべきことを言う日々だ」と言っています。

 「自動運転」への敵視は、レベル4、レベル5の完全自動運転を対象としている様で、逆に言えばレベル3の自動運転、すなわちドライバーは必須の条件付き自動運転までは容認している様です。

 本来、完全自動運転になってドライバーがいらなくなれば、タクシー会社の経費の7割を占める運転手の歩合給が必要なくなるのでタクシー会社の経営にはプラスに働くはずです。ではなぜ反対するのか考えてみました。

 先ず考えられるのは、規制改革により認められた「民泊」です。外国人観光客の増加などによる宿泊施設の不足、空き家問題、インターネットを使った新しいビジネスモデル(日本国内のAirbnb)等により旅館業法の改正だけでは対応が困難になってきました。

 そこで「民泊」という営業形態の宿泊提供に関する法律「住宅宿泊事業法」を2017年6月に成立しました。施行は2018年6月15日です。

 細かい事は別として、重要な事は、①宿泊させる日数が年間180日間を越えない、②現に人の生活の本拠として使用されている家屋、③入居者の募集が行われている家屋、④随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋、などがあげられる様です。

 タクシー運転手のブログなので民泊の事はこの辺にしますが、現在多くのテレビ番組やニュースで取り上げられるほど「民泊」が話題になっている理由は「Airbnb(エアービーアンドビー)」という米国発の民泊仲介サイトにある様です。

 Airbnbによってもたらされたものは、それが他人の家に他人が泊まるタイプのホームシェアリング(民泊)です。信頼できる相互評価システムを持つAirbnbは人々を魅了し2015年の時価総額は、企業としての評価額が10億ドル(約1000億円)以上で、非上場のベンチャー企業ユニコーン企業です。

 AirbnbはAirbnbに部屋を掲載しても手数料はかからず、手数料が発生するのは宿泊予約が決まったとになり、宿泊予約が決まるとAirbnbは部屋の貸し手であるホストからは3%、宿泊予約をしたゲストからはその宿泊金額に応じて0〜20%の手数料を徴収するシステムの様です。そして部屋の貸し手との部屋の借り手の双方がお互いに評価される仕組みの「相互レイティング」も有るようです。

 宿泊施設を提供する「旅館業」は昭和23年に施工された「旅館業法」により規定されていました。昭和23年から現在までの70年間でいくつかの改正を経て時代の要求に対応して来ましたが、それがいとも簡単にインターネットを使った新しいビジネスモデルの出現で新しい仕組みが出来ました。「民泊」です。

 長くなりましたので、続きは次回に回します。

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