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「配車アプリの『普及率』と『利用率』

 今回は「配車アプリの『普及率』と『利用率』』を書こうと思います。


  先ず、配車アプリに限らず「普及率」の普及とは、辞書によると、「広く一般に行き渡ること、行き渡らせること。」を指す様で、スマホに例えると「現在スマホは老若男女を問わず『普及』している」の様に用いられます。換言すると「現在スマホは老若男女を問わず「広く一般に行き渡っている」となります。


  「普及率」は、これも辞書には、ある商品の普及状況を示す比率で、世帯普及率(1000世帯当りの比率)と個人普及率(人口1000人当たりの比率)の2つがあるそうです。


  又、「利用率」という物の有る様で、例えば、2019年のインターネット利用率(個人)は89.8%となっている」など、そのサービスを利用している人の割合になります。


  で、配車アプリの利用率はICT総研では、タクシー配車アプリを活用した配車サービスの市場動向について調査を行い、現在の市場規模を推計した様で、ICT総研の需要予測では、2020年末時点での日本国内のタクシー配車アプリの利用者数は858万人と推計され、利用者数はアプリの普及と配車サービス登録車両の拡大により今後も増加傾向で、2021年末に1,110万人、2022年に1,346万人、2023年末に1,573万人になると予測していました。この調査には、Webアンケートを実施した4,407人のうち配車アプリ利用率は14.8%となっています。


  「そんなに高いんだ~」と思いますが、 ここで、利用者数が「ユニークユーザー数」な事に注意することが必要です。


  ユニークユーザー数とは、Webサイトを訪れたユーザーをIPアドレスやIPアドレスとユーザーエージェントの組み合わせなどによって判別し、再度Webサイトを訪れた際には同じユーザーとしてカウントした値なので、ユーザー数がWebサイトを訪れた方の延べ人数であるのに対してユニークユーザー数は異なるユーザーの総数です。要は、そのサービスを複数回利用した事の有る人です。


  例えば、ABCというユーザーが別々の日にそれぞれが3回、2回、1回、サイトを訪れたとすると、ユーザー数は6,ユニークユーザー数は3になります。なので、配車アプリの利用回数はユニークユーザー数なので、同じ人が複数回乗車した回数になり、初めて利用した人ではなく、何回も利用している人も含めての乗車回数なので、3回乗車しても11回でも1人とカウントします。なので、複数回利用した人は858万回の中に含まれるので、初めて配車アプリを使用して乗車した人は858万人より少ない様に思います。


  そこで、配車アプリの「普及率」ですが、ジャパンタクシーとMOVとの統合の場で、「全国の月間タクシー輸送回数は約1億回。そのなかでタクシー配車アプリを使用して輸送した割合は、わずか2%・・・」と川鍋氏は述べています。


  という事は、1億回×普及率2%=200万回が配車アプリを利用して輸送した回数になります。


ICT総研の858万回、川鍋氏の2%を根拠にすると200万回と約4倍違います。両方が正しいと仮定すると、配車アプリの普及率は2%と小さくても、その2%の人が「メッチャ配車アプリを使っている」事になります。


ですが、ICT総研の858万人は、「858万人と推計される」となっているのでその根拠が示されていません。「推計」とは、推定して計算することとなっているので、推定とは、「統計調査で、ある集団の性質を調べる場合に、その集団から抽出した標本を分析することによって集団全体の性質を判断すること」になっています。


 なので、どんな推計をしたか気になります。(@_@)



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