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カリフォルニア州でUber事業停止の危機

 今回は「カリフォルニア州でUber事業停止の危機」を書こうと思います。

 先ず、Uber=ライドシェアと以前は捉えていましたが、ライドシェア=相乗りとなるので、現在はride-hailing serviceという用語を使っているそうです。ride-hailing serviceは、自動車による送迎サービスの事を指す様で、要は、ライドシェア=相乗り、ライド・ヘイリングは自動車による送迎サービスになる様です。

 以前からUber=ライドシェアには?で、「何処がシェアしてるんだ」と思っていましたので、ride-hailing serviceという用語が出来て納得です。要は、自動車による送迎サービスの事でウーバーなどが提供する大規模な配車サービスを指しますが “ride-share”(ライドシェア 相乗り)との区別を明確にするための用語の様です。

 ギグ・エコノミーの成長を牽引してきたライド・ヘイリングのUberとLyftがカリフォルニア州の路上から消える危機がすんでのところで回避された様です。ギグ・エコノミーの「ギグ(gig)」とは、ライブハウスなどでギタリストやサックスの演奏者が、ゲストとして“一度限り”のセッションを行なうこと意味しています。

 ギグ・エコノミー的な働き方=副業と混同されがちですが、ギグ・エコノミーは単発の仕事を「受ける」ことで成り立つ働き方を意味しているので、副業で「自分が経営者になって」服を仕入れて販売をする事とは、働き方としてギグ・エコノミー的な働き方とは異なる様です。

 また話がずれてきましたが、何故ウーバーが事業停止の危機に陥ったか?は、カリフォルニア州で「AB5」というギグ・ワーカーらの権利を守るための「州法」が1月に施行されたからだそうです。ウーバーやリフトなどのライド・ヘイリングやフードデリバリーといったギグ・エコノミー企業は、運転手や配達員を個人事業主として扱うことで最低賃金の保障や残業手当、有給の病気休暇、失業保険や残業代などの負担を免れていましたが、AB5では以下の3つを満たさない業務従事者を従業員と見なす事の様です。

①・業務従事者が履行する業務が、使用者の指揮命令または管理から自由であること
②・業務従事者は、使用者の通常の業務の範囲外のタスクを行っていること
③・業務従事者は使用者のために行われる業務と同じ性質の商売、職業、またはビジネスを
独立して継続して行っていること
が業務従事者を従業員と見なす事の条件の様です。「3つを満たさない業務従事者を従業員と見なす。」・・・なんか変な感じです。草

 要は、そのスキルを持っていて使用者の管理から自由で、使用者の通常の業務の範囲外の仕事・作業・職務を行っている人を指す様です。③に関しては、タクシーの2種免許に近い様な気がします。草

 AB5の下でもギグ・ワーカーは“従業員”には当たらないと主張するライドヘイリング・サービスに対して、米サンフランシスコ郡の上級裁判所は独立した個人事業者の条件を満たしていないとして、8月11日にUberとLyftに対して運転手を従業員として扱うことを求める仮命令を出したそうです。効力を発揮するまで10日間の猶予期間が設けられましたが、2社は命令を不服として上訴しました。期限を迎えた場合にサービスの一時停止に踏み切る考えを表明していましたが、期限直前の20日、控訴裁判所が一審の仮命令の猶予期間を延長し、土壇場でサービス停止が回避されました。間一髪です。

 UberとLyftには、ギグ・ワーカーが個人事業主であるという経営者の意識や視点を持って取り組み、優れたサービスを提供するワーカーもいますが、多くはカジュアルワーカーだそうで、単発の仕事や日雇いの仕事を受ける感覚で従事している様です。

 AB5に基づいてサンフランシスコではフードデリバリーのDoorDashを、サンディエゴではグローサリーデリバリーのInstacartを市が提訴しました。マサチューセッツ州でも、カリフォルニア州と同様のライド・ヘイリング規制が進められ、米下院にもギグ・ワーカーを保護する法案が提出されているそうです。

 こうした規制強化の動きに対して、UberやLyftはドライバーの雇用を請け負う会社と契約するフランチャイズのような方法を検討すると共に、ドライバーを個人事業主としながらある程度の保障を提供する新たな州法でAB5を置き換えようとしている様で、今年の11月3日の投票日において住民投票で諾否を問うそうです。

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