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アメリカでライドシェアが誕生した理由

 今回は「アメリカでライドシェアが誕生した理由」を書こうと思います。

 前に書いたアメリカの「伝統的ライドシェア」が何故誕生したかを書こうと思います。この過程が多少、日本のライドシェアと関係が有るかも?です。

 アメリカ全体の通勤時の交通手段は、ドライバー1人が乗車する自家用車が77%、カープール9%、 鉄道・バス5%の様で、、カープールは鉄道・バスよりも上位にあり、又、サンフランシスコでは交通手段におけるカープールの利用割合は約16%の様です。

 アメリカにおいてはフォードが自動車の大量生産を開始してから、自動車が広く普及して現代社 会において欠かせない存在となっています。

 高速道路網の整備により、高速道路は都市間のみならず都市内にも建設されました。その結果、大量の自動車が都心まで入り込み、都心部には広大な駐車場が整備されたました。自動車の利便性向上や人々の所得向上によって、多くの人々が自動車を保有し、モータリゼー ションが進んでいきました。

 その結果、自動車の普及によって、都心部に住んでいた人々は郊外の広い一戸建て住宅に移り住み、都市に新たに入ってきた人々も都心部ではなく郊外で暮らし始めました。地価の安い郊外の土地が次々と住宅地に変わっていき低密度の郊外都市が開発されました。

 その結果、この様に形成された低密度の都市における移動は自動車が主流になり通勤ラッシュ時には道路が混雑していきました。この様都市人口の増加に伴う都市のスプロール化(都市が無秩序に拡大してゆく現象)に加えて、郊外では大規模なショッピングモールが建設され、オフィス機能も都心部から移転し、複合機能を持った副都心的な都市が生まれました。郊外と都心の交通の拡大、副都心間の交通も加わり、低密度に拡散した都市が道路混雑に拍車をかけました。

 公共交通は、戦前は多くの都市に路面電車が走り、ピーク時には現在の LRT(路面電車)利用者の26倍、138億人が利用していました。しかし、バスや鉄道は大量旅客輸送に優れているので、日本の大都市部のような高密度居住・高密移動の地域では良いのですが、アメリカのように低密度構造の都市ではその存在意義が低下していきました。

 その為、路面電車は乗客が急減し撤退を余儀なくされ、バスも路線の廃止やサービスの低下が進みました。その為、高齢者・子供や経済的に車を持てない者が交通弱者となり、移動の機会が失われていきました。

 一方、通勤の交通手段としてのドライバーが1で乗車する自家用車は交通混雑の主な要因でありましたが、この割合は年々増加し、道路混雑は一層激しさを増しました。

 その為、道路インフラの整備に加えて、自動車の通行量を抑制する施策が推進され、地下鉄・LRT の整備・パークアンドライドの駐車場の整備・カープールといった相乗りの推進等が行われました。

 ライドシェア施策としては、カープールへの補助、HOV レーン、いわゆるカープールレーンの整備が挙げられます。

 HOVレーンは複数の人員が乗車する自動車のための専用車線で、複数人員が乗車する自家用車やバン、バスの走行が可能であす。混雑する一般車線を避けに速やかに走行できることから時間短縮のメリットは大きいと思います。HOVレーンは、要は、ドライバー1人が乗車する自家用車から公共交通やカープールへの転換を誘導するインセンティブレーンです。

 色々こまごまと書いてきましたが、アメリカはその必要からライドシェアが昔から存在していました。昔からあった事で、何もライドシェアはウーバーが最初ではありません。昔から有ったライドシェアをウーバーは単にGPSを用いて利用者の利便性を高めたにすぎません。一方日本では、過疎地などを除くとアメリカの様な環境に無いと思います。自分はライドシェアに肯定的ですが、日本では明らかに営利目的です。アメリカはライドシェアが必要なので、ウーバーなどのライドシェア企業の様な営利目的のTNCが成り立っています。

 「ウーバーを導入すればタクシー料金が安くなるから利用者には良いじゃん」、ではあまりに短絡的な考えではないでしょうか

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