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タクシーは何故こんな悲惨になってしまったか

 今回は「タクシーは何故こんな悲惨になってしまったか」を書こうとおもいます。

 タクシー事業が産業全般や他の運輸事業と大きく違うのは、タクシーは都市部を中心に流し営業が主流であるので、利用者にとって利用の選択肢が少ないと思います。

 又、人件費が費用の約4分の3を占める極端な労働集約型産業である一方,事業所外労働であることから、賃金の相当部分が歩合制で,その為、「通常の産業では固定費」とされる「人件費について変動費的」な要素が大きくなっています。はっきり言えばこの事がタクシー運転手の低賃金の現況の様な気がします・・・

 景気の低迷により需要が縮小すると、クシー事業者は事業全体の売上げの確保を図るために,1台当たりの収入の減少を車両数の増加で補おうとして,結果的に多くの事業者が増車を行いました。

 平成14年の道路運送法改正でタクシー事業が規制緩和され、以降増車は届出の対象となった事と、需要の減少局面にあった地域では前記の様な理由で増車が相次ぎ,供給過剰になりました。所謂、小泉首相の規制緩和によるタクシー事業者の新規参入と、既存タクシー事業者の増車です。

 需要全体が縮小すると同時に増車が行われると、供給過剰状態となり、当然1台当たりの営収が大幅に減少することになりました。この事は歩合制賃金の下でこれは運転者の賃金の低下に直結し,このような運転者の労働条件の悪化は,安全性や サービス水準の面でも深刻な悪影響をもたらすことになりました。

 供給過剰の状態 を早急に是正・解消していくことは、運転者の労働条件改善の観点、利用者利便確保の観点からも極めて重要でした。

 長く続いた景気低迷に加えて平成20年にはリーマンショックが発生しました。これにより全国的にタクシー需要の落ち込みとともに供給過剰状況が一層進行し、運転者の賃金水準もさらに低下しました。

 そんな中、平成21年10月に施行されたタクシー特措法の下で,全国的に又、個別の地域の大半において,1日当たりの車営収と運転者の賃金はそれまでの下落傾向から回復に転じました。

 全国で約640のタクシー営 業区域のうちその約4分の1にあたる営業区域が特定地域として指定され,各地域において「自主的な減車」や需要の活性化の取り組みが各社で 「自主的」に進められましたが,自主的な取り組みの為3年が 経過する中で減車ペースも低下していった事や、「減車に積極的に取り組む事業者」と「全く消極的な事業者」との間に不公平感が生じ、これが減車が停滞する一因ともなっていました。

 そこで、「減車に積極的に取り組む事業者」と「全く消極的な事業者」との間に不公平感を無くす事や、減車ペースの低迷を解決する為、国交省による強制減車が行われました。

 自分が乗務していて感じる事は、強制減車しても大した変化は無い感じです。減車台数が少なすぎる様な気がします。

 話が長くなりましたが、現在のタクシーの状況を招いている原因は、2001年に、小泉純一郎首相は「所信表明演説」で「今の痛みに耐えて、明日を良くしようとする米百俵の精神こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要ではないか」と述べた、小泉首相の「聖域なき構造改革」ではないでしょうか?痛みをいつまで我慢すればよいのか心配です。今は既にモルヒネが効かない状態です。

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