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タクシー料金値上げの仕組みと、新規準と旧基準と東京基準

 今回は「タクシー料金値上げの仕組みと、旧基準と東京基準」を書こうと思います。


  とりま、タクシー運賃は法人全車両数の7割を超える申請があった場合に手続きを開始し、それが、事業者認可申請になりそこからタクシー運賃の改定は始まります。


  次に、次の基準に該当する事業者を除外し、・小規模又は零細事業者 ・3年以上存続していない事業者・平均車齢が特に高い事業者 ・事故を多発している事業者・年間実働率又は従業員1人当り営業収入が低水準の事業者 等を除外してこれが「標準能率事業者の選定」になります。


  次が問題なのですが、運賃改定要否の判断が通常は、標準能率事業者の実績年度又は実績年度の翌年度の収支が赤字となる場合は運賃改定の審査を開始します。


  そこで、20202月から武漢う¥ウィルスの世界的流行になります。本来は、「標準能率事業者の実績年度又は実績年度の翌年度の収支が赤字となる場合」に審査が開始されます。


  で、武漢ウィルス前提の運賃改定とそれ以前では、上記に当たらない様です。武漢ウィルス以前のタクシー運賃改定事案の審査基準は、運賃ブロックにおいて最近の実績年度1年間を実績年度として、実際に申請・要請があった年度の翌年度(=実績年度の翌々年度1年間)の事業収支を合理的に推計し、査定を行うこととされている様です。


  運賃ブロックの東京特別区・武三地の要請開始は211224日なので、コロナ禍がなければ実績年度は直近の1年間ということで2020年度(2041日~213月)ということになっていたはずです。


  現行の旧審査基準に従うと、過去5年間の実績の推移、将来における合理的な予測を基礎にして、「輸送力及び輸送効率等」を算定することとされています。


 ですが、但し書きにおいて、実績年度実車率が当該ブロックの直近5カ年の加重平均実車率=基準実車率を上回る場合には、実績年度実車率をもって算定を行うものとする実績年度実車率が基準実車率を下回る場合には実績年度実車率と基準実車率を和半した数値をもって算定を行うものとすると定められています。


で、実際には旅客課長事務連絡が発出されたことにより、実績年度は2020年度でも19年度でもなく、2019年暦年が適用されることとされ、2013月におけるコロナ禍による営業収入低下という要素は排除され、過去5年間の実績値から合理的に推計すると平年度の事業収支は良好な数値となってしまい、要否判定の段階で運賃改定不可となるか、改定増収率が小さくなる見込みとなっていたました。


 これが旧基準=東京基準になります。ですが、考えてみると、但し書きの②が適用されても、乗務員不足による供給輸送力の停滞により、結果、実車率だけは高めに出る傾向も考えられて、平年度の予想値にある程度の実態を反映できる要素を加味しないとが出た様です、査定値と実態との乖離が大きく出てしまうことは避けられない様です。


  特別区・武三地区の場合は、上記の通り現行審査基準に基づき、「コロナ禍はなかったもの」として取り扱う事務連絡を適用して査定を行うので、前述した様に査定結果としての平年度の事業収支と実際に生じる事業収支との間には大きな乖離が生じる可能性が有ります。


  全タク連の速報値による全国各都道府県の総営収の対19年同月比較でも今春辺りの数カ月間でも2030%程度の減収が続いているので、本来ならば改定増収率で1525%程度なければ事業収支は償わないはずです、実際に見込まれるのは10%前後ではないかとの見方がもっぱらの様でしたが、


豈図らんや、蓋を開けてみると、10%を超える改定増収率は14.24%とされており、国交省の持ち出したいわゆる「旧基準」での審査対象事案としては、思いのほか高めの改定率が出た様です。


  とはいえ、特別区・武三地区の運賃改定要請事案の様に、すでにはっきりと「新しい運賃改定方針」の適用対象外であると明言されているので、202月の全国48ブロックで改定実施済みのブロックでも、コロナ禍を経て再度運賃改定に挑戦しようという地域もあるので、東京で同様のことがあっても別段不思議ではない様です。



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