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タクシー配車の今と昔

 今回は「タクシー配車の今と昔」を書こうと思います。

 大昔は、タクシーを自宅などに呼んで利用したい時は、タクシー会社または無線組合の配車センターに電話をしていました。電話をするとオペレーターが迎え先の住所を聞いて配車を受け付けたあとに、無線で無線待機車や流している車両へ、迎えに行けるのか呼びかけを行い、対応できる運転手からOKの連絡を受けた時点でおおまかなルートやランドマークを伝えて目的地まで導くのが、タクシー無線の基本的な活用法と流れとなっていました。よく「○○迄5分どうぞ」とかそれでも応答が無いと「○○まで10分どうぞ」という無線を聞いた事が有る人もいると思います。

 時代が変化し、今から10数年前より無線のデジタル化が進むと、タクシー無線も取り巻く状況が大きく変わってきました。デジタル化とともに各車両にGPSアンテナが装着され、各タクシー会社などの無線センターでは、リアルタイムで稼動しているタクシーの状態をオペレーター個々に配置された液晶モニターで見れる事ができるようになりました。

 又、地図画面上に自社のタクシーの位置情報が表示されるだけでなく、実車、空車、休憩中なのかなどもオペレーター見ることが可能となりました。そしてお客から配車要請がかかると、そのお客のいる場所に近い車両へオペレーターが迎車指示を出し、そのときには車内のディスプレイに目的地までの簡単なルート説明などが文字情報として表示されるようになりました。今の無線配車の原形になります。

 次にカーナビ連動タイプが出現し、お客からの配車要請があってから、各車両への迎車指示までの流れはほとんど変わりませんが、文字情報の代わりに搭載されているカーナビ画面に自動的に目的地までのルートが表示される様になりました。

 なので、大昔のバブルのころのように、無線をひろいやすい場所で待機して早わざで無線配車を取るというような、アナログ的な無線争奪戦は都市部のタクシーでは原則的にはほぼ見かけなくなりました。なんか、早業で電話を取ると言うのは、不動産業者がチラシを打った時に他者より早く電話を取る事に似ている様で草が生えます。古

 最近のトレンドでは、全自動配車システムを導入している事業者や無線組合も目立ってきています。あらかじめ自宅やオフィスなど、頻繁にタクシーを呼ぶ場所で登録を済ませておくと、ガイダンスに従って電話のボタン操作をすれば、オペレーターとの会話なしにタクシーを呼ぶことも可能となっているシステムで、要はIVR配車という物です。

 大手ほど最新の無線配車システムを採用していまが、いまだにオペレーターと対話方式で無線のやりとりをしている中小、零細事業者も少なくないそうです。この対話方式のタクシー業務で使われることの多い無線機はMCA無線という物の様です。MCA無線は全国に設置された中継局を経由し、専用の通信網を使って通信を行います。1つの中継局で平均20km~40kmのエリアをカバーでき、契約次第では全国に渡って通信することも可能な様です。要は、業務用無線です。

 現在は殆どのタクシー無線がデジタル化されたIP無線に変更されていて、IP無線は、大手通信事業者の携帯電話回線を利用して無線通信を行う無線機のことです。音声をパケットデータに変換して通信網に乗せる仕組みになっているので、携帯電話の電波が入るエリアであれば全国どこでも通信できます。

 ただ現在主流のシステムでいけば、ベテランや新人に関係なくお客の最寄りにいれば自動的に配車されてしまいます。その為、新人デビューしてから一定期間は無線を受けられないように手配して乗務させる事業者もあります。東京都内などにおいて無線でタクシーを呼ぶようなお客は得意客となるので、新人が行けば地理不案内やちょっとした接客の不徹底でクレームになる可能性が高いからが理由の様です。

 なので、現在の無線では無線を取る事の早いも勝ちでは無く、無線が落ちるとこを知っている者勝ち・・・デス。草

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