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電動キックボードの法的整備

今回は「電動キックボードの法的整備」を書こうと思います。

 現在、結構多く目にする電動キックボードは、平成14年に警視庁交通局より「いわゆる「電動キックボード」及び「電動スクーター」についてという警告文が公表されています。

 その内容を抜粋すると、「キックボード(車輪付きの板)に取り付けられた電動式のモーター(原動機(定格出力0.60キロワット以下))により走行するいわゆる「電動キックボード」(座席が取り付けられている場合には、「電動スクーター」と呼ばれているものもあります。)については、道路運送車両法上の原動機付自転車に該当すると解されます。原動機が内燃機関(エンジン)でなく、電動機であっても、原動機付自転車に当たります(電気を動力とする電気自動車が自動車に当たるのと同様です。)。

 よって、いわゆる「電動キックボード」や「電動スクーター」は、前照灯、番号灯、方向指示器等の構造及び装置について道路運送車両の保安基準に適合していなければ、運行の用に供することができません(歩道、車道を含め道路を走行することはできません。)後略」となっているので、要は、原付扱いになります。当然、自動2輪運転時に必要とされている「ヘルメット」の装着や「ナンバープレート」取得義務は免れません。

 昨今、ナンバーを付けないで行動をそうこうしている電動キックボードをよく目にしますが、あれは原付以上の免許を持ていなければ、道路交通法64条の、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第4項、第103条第1項若しくは第3項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項又は同条第3項において準用する第103条第3項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」と条文に有るので「無免許」で3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、更に、前照灯、番号灯、方向指示器等の構造及び装置について道路運送車両の保安基準に適合していなければ道路交通法第62条の違反として処罰される場合があり、その場合は3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます。

 調子に乗って、無免許で保安基準に適合していない電動キックボードに乗ってるとえらい事になります。草。まして、ナンバーを付けていないで公道を走るなんて論外です。(>_<)

 そんな電動キックボートですが、警視庁がまたぞろ何か始めた様です。それは・・・個人所有なら原付免許で0Kですが、レンタルでは小型特殊免許が必要としたい様でレンタルの場合は小型特殊免許を必要とする方針で、この件に関しパブリックコメントを3月6日まで募集しています。

 何故か?・・・事の起こりは、警察庁は2021年2月4日、シェアリング事業者向けの電動キックボードの特例措置の方針を決めた事に端を発する様です。今回の警察庁が今回パブリックコメントで意見を求める特例措置で、シェアリング事業者が利用者に貸し出す電動キックボードに限り「小型特殊自動車」と位置付け、従来の取り扱いを変更しました。

 問題の小型特殊車両は“フォークリフト”、“除雪車”、“農耕用のトラクター”など限られた用途のために作られた車両のことで、電動キックボードはこの仲間とされたわけで、公道を走るためには小型特殊免許が必要になった様です。

 なので、貸出車=レンタル電動キックボードを利用するためには「原付」免許では運転することができなくなりました。要は、運転免許の種類が車両の所有者によって変わるという、今までの道路交通法に無かった「みなし規定」が適用された事になります。又、運転できる免許の種類はシェアリング事業者が届け出た範囲内で運転するか、その範囲の外で運転するかによっても違ってきます。

警視庁交通局によると、「事業者が届け出た範囲を超えた場合は、原動機付自転車として取り扱う」となるそうです。わけわかめで草が生えます。

驚くのが、原付ではヘルメット着用が義務付けられていますが、小型特殊の運転では規定がありません。但し、警視庁の苦しい言い訳ですが、義務ではないので違反にならないということで、電動キックボードのノーヘル運転を認めたわけではありません。

このノーヘルOKの特例の設置を働きかけたのは、電動キックボードのシェアリング事業者などで構成される「マイクロモビリティ推進協議会」です。「マイクロモビリティ推進協議会」は車両貸出時のヘルメット装着義務の撤廃を訴えていました。

根拠は、産業競争力強化法という法律で、産業競争力強化法は、新しい産業が発展するための規制を緩和することで企業の競争力を強め、国民生活の向上や国民経済の健全な発展につなげようとする法律の様です。新産業と認められると、事業者の申請により規制のあり方を再考する様です。

今回は道路交通法の規制がシェアリング事業を展開する上で障害になっているという申し出から、規制が見直されることになった様です。ですが、この産業競争力法で見直しができるのは政省令の範囲までで道交法の条文を変更することはできません。

又、原付のヘルメット着用義務は道路交通法の条文で定められています。この法律の条文の義務=ヘルメット着用義務を外すためには、事業者が貸し出す電動キックボードをヘルメット着用義務のない小型特殊扱いにするしかなかったわけです。

「マイクロモビリティ推進協議会」・・・・ノーヘルでレンタルをさせる為に電動キックボードを小型特殊扱い   
 ろくなもんじゃね~(>_<)




 

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