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タクシー乗務員の通常賃金と平均賃金

 今回は「タクシー乗務員の通常賃金と平均賃金」を書こうと思います。

 「平均賃金」は、労働基準法12条で定められていて、補償や減給の制限額を算定するときの基準となる賃金の事です。“算定しなければならない事由”の発生した日以前3ヶ月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額です。注意する事は、総日数とは総暦日数であって総労働日数ではありません。要は「総日数」≠「労働日数」という事になります。

 「通常の賃金」は「93号通達」の中で次のように述べられています。「歩合給制度が採用されている場合には、労働時間に応じ、固定的給与と併せて“通常の賃金”の6割以上の賃金が保障されるよう保障給を定めるものとすること」と述べられています。

 換言すると、「通常の賃金」は、各人の“標準的能率”で、「通常の労働時間」を満勤した場合に得られると想定される賃金額(時間外労働及び休日労働に対する手当を含む)です。

 具体的な計算方法としては、各人ごとの過去3」カ月程度の賃金の総額を、その期間の「働時間」で割った時間単価が「通常の賃金」になります。具体的には、6月の賃金が216時間で50万円、7月の賃金が216時間で55万円、8月の賃金が216時間で60万円、だったとすると、通常の賃金=(50万円+55万円+60万円)÷216時間×3≒2,564円になります。

 よって、93号通達では2,546円の6割、即ち1,527円が保障9月の保証給時給になります。

 一方の「平均賃金」は「払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額」となるので、(50万円+55万円+60万円)÷92日=17,934円が1日の平均賃金になります。同じ様に1日18時間労働をしたとすると、17,934円÷18時間≒996円になります。

 よって、「平均賃金」と「通常の賃金」では結構差が有ります。「平均賃金」は、解雇予告手当・使用者の都合により休業させる場合に支払う“休業手当”、そして、年次有給休暇を取得した日について支払われる「有給手当」が平均賃金で支払われます。

 以降は長くなりますので・・・次回にでも。

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