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分かっている様で分かっていないタクシーの給料

今回は「分かっている様で分かっていないタクシーの給料」を書こうと思います。


  とりま、歩率60%の会社と聞けば、営収が60万円としたら給料は60万円×歩率60%=36万円が給料だと思う人が殆どだと思います。


  ある意味この考え方は正解の部分が有りますが、タクシーの歩率率、拘束時間、労働時間などに法に網が掛けられているので、そうそう簡単に金額は決められません。


  前記した様に、営収60万円の時歩合給で支払われる歩合給は36万円では有りません。先ず、労働基準法32条で、法定労働時間は1日8時間、1週40時間と定められていて、36協定を労使で結んでいれば、労働基準法32条の2の「1か月単位の変形労働時間制」や、32条の4の「1年単位の変形労働時間制」などを採用出来て、1日8時間や1週40時間を超える所定労働時間を定めることができます。


  要は、1か月以内や、1年以内といった一定期間を、平均して週40時間を超えないようにあらかじめ所定労働時間や所定労働日を定めておけば、日や週によっては、1日8時間、1週40時間を超えてもOKという事になります。


  平均して週40時間を超えないように、というのが少しわかりにくい言い回しですが、タクシー会社は、「1か月単位の変形労働時間制」を採用している会社がほとんどです。


  例示すると、1か月が30日の月に、1乗務の所定労働時間14時間で、12乗務の勤務シフトを組むと、1か月の労働時間は14時間×12乗務=168時間になり、これを週あたりに換算すると、168時間×7日/30日=39.2時間となるので週40時間を超えていないのでOKという事になります。


  実務上は、いちいち週に換算するのが面倒なので、週40時間以内になる「上限時間」で考えると、28日の月 40時間×28日/7日=160時間・30日の月 40時間×30日/7≒171.4時間・31日の月 40時間×31日/7≒177.1時間になり、この時間を7日で乗じて7で割れば1日の労働時間が計算でします。


  なので、30日有る月は171.4時間÷12勤=14.25時間が法定勤務時間になるの、この時間に最低賃金を乗ずると、神奈川県の場合は1,112円なので、1,112円×14.24時間×12出番=193,488円が保障給=基本給になります・・・・此処までは大丈夫ですか?


  当然の事ですが、1日欠勤すると基本給は1日マイナスされ、1,112×14.24時間×11出番=174,183円になります。


  ここまでを超雑に纏めると、タクシーの拘束時間は116時間、法定労働時間は12勤の場合は14.24時間になります。


  この他にも、時間外労働=残業が有り、仮に1日のマックス18時間を働いた人は、18時間―14時間=4時間の残業代が支払われ、労働基準法上では、1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働した場合の時間外労働には、通常の賃金の25%以上の割増賃金=時間外手当が発生しま、例えば前記の様に、時給1,112円の労働者が1日18時間―14時間=4時間の労働をした場合、時間外労働1時間について278円の割増賃金(時間外手当)が発生するので、その4時間の時給は1,390円になり、4時間だと5,560円、12勤だと6,672円の残業代が発生します。


  又、時間外と深夜の割り増し賃金は、「労働基準法」の第37には「時間外、休日及び深夜の割増賃金」という条文が有り、「・・・・労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と定めています。


  仮の例として、朝8時に出庫して21時間(休憩を抜くと稼働18時間働いて)翌朝5時に帰庫したとし月の営収が60万円だったと仮定します。


  時間外労働に対する給与は、18時間―14時間=4時間/日なので、月の残業時間は12勤×4時間=48時間が残業なので、神奈川県の最低時給で計算しても48時間×1,112円×1.2566,720円が残業代になります。


  深夜料金は7時間なので、1,112円×7時間×12勤×0.2523,352円が深夜割増し給料になります。


  という事は、残業代と深夜割増給料を合わせると,66720円+23,352円=90,072円が割増給料になります。


  てことは、固定的給料の個本給の174,183円と合算すると、174,183円+90,072円=264,255円にしかならず、営収60万円、歩率60%と約4万円好きなくなります。


  なのでこの4万円を、歩合給として支給していると考えられます。ですが、この考えは、18時きっちり働いて、しっかり残業代を取ってしっかっり深夜割増しを取る人の歩合起算で、かなり真摯にタクシー乗務員に向き合っている人で、引きが強い人や残業もそこまでしなくても営収が上がる人は、残業代が少なくても給料明細の歩合が多い様な気がします。


  例えば、残業をそこまでこなさなくても営収が80万円ある人は、歩合が多いと思います。


  最終的に何が言いたかったかと言うと、結果、歩合給が60%と言っても、前記した93号通達で「歩合給制度が採用されている場合には、労働時間に応じ、固定的給与と併せて通常の賃金の6割以上の賃金が保障されるよう保障給を定めるものとすること」としさらに、一時間当たりの保障給は、各労働者が過去3ヶ月程度の期間に支払われた賃金を時間換算したものの6割以上の額とすること、と言っていますが、そんな計算をしている会社・・・・・有るのか疑問に思います。(笑)


  次に、拘束時間ですが「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」で拘束時間は隔勤の場合月262時間と定められていうので、12勤の場合は262時間÷12勤≓21時簡になりこの中には休憩時間も含まれます。


  又、前記した「改善基準告示」によると、拘束時間の制限も有り、①1日の拘束時間は原則13時間まで。ただし、16時間までなら延長可能となっていて、労働基準法37条の縛りが有ります。


  なので、これらの縛りをうまく使って歩率を決めている様に感じます。長くてすんませんでした。結局、決められた歩率で給料は支払われていると思いますが、それは歩率給を、歩合給から割増し給から引いた唯の帳尻合わせの意味しか持っていません。


  なので、歩合給には気基本給、残業代増し給や深夜割り増し給が含まれていて、単に営収だけを見て歩率決めている訳では有りません。(>_<)


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