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エクモと人工呼吸器

 今回は「エクモと人工呼吸器」を書こうと思います。

 最近、武漢ウィルスの蔓延と共に「エクモ」と言う言葉をよく聞く様になりました。エクモ・・・?でした。殆どの方が同じ様に感じたと思います。

 自分の感覚としては、武漢ウィルスは肺機能が重症化する様なので、「人工呼吸器があんじゃネ」と思っていました。とんだ思いこみの様で草が生えます。

 肺炎などが重症化すると呼吸器疾患になり呼吸不全を起こします。呼吸不全とは、血液中の酸素レベルが危険なほど低くなったり、血液中の二酸化炭素濃度が危険なほど高くなったりする病気で、酸素レベルの低下は低酸素血症性呼吸不全と呼び、二酸化炭素の低下は高炭酸ガス血症性呼吸不全と呼ぶそうです。

 急性呼吸不全の原因疾患には様々なものがありますが、肺炎やARDS=急性呼吸促迫症候群、急性肺血栓塞栓症、自然気胸などが代表的な物の様です。武漢ナウィルス感染で最重症となった多くの人は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)が原因だと報告されています。

 急性呼吸窮迫症候群は、重症の肺傷害であり、肺に水分が異常に貯留し、そのため肺胞から酸素が取り込むことが困難となり高度の酸素不足が生じ、その結果、全身の臓器の障害を引き起こす様です。

 呼吸不全になったら、選択肢は2つ有り1つは「人工呼吸器」と「エクモ」です。エクモは、は「人工心肺装置」と紹介されていますが、Extra Corporeal Membrane Oxygenationでの略で、正確には「体外式膜型人工心肺による酸素化」という意味になります。

 要は、人口呼吸器は基本的に「肺による自立呼吸が可能」な場合に使用する様です。ドラマなどで重篤な患者の口下へマスクを当てたり、喉まで管を入れたりと患者の代わりに呼吸を行う機械というとなんとなく見覚えが有ると思います。人工呼吸器を使用する目的は、ガス交換を改善することと、呼吸仕事量を減らすことにあります。

 変わって「エクモ」ですが、これは「肺の機能がほぼ停止」した状態の時に使用する様です。肺により取り込まれた空気は、心臓から肺の肺胞で二酸化炭素と酸素ガスとが交換されて、酸素をたくさん含んだ血液になります。 ガス交換の済んだ血液は、肺から肺静脈を通って心臓の左心房へ、そして左心室=全身に血液を送るポンプに入ります。雑に言ってしまうと、肺は酸素と二酸化炭素のガス交換装置になるのでしょうか。

 エクモは前述した様に肺の機能がほぼ停止した状態にあるので、なので上記した様に自力でガス交換ができなくなってしまいます。そこでエクモの登場です。体外式膜型人工心肺の名が差す様に体外型の人口肺です。要は、外付け方の「人工肺」の様です。

 原理は、足にある太い血管から患者様の血液を取り出し、膜型人工肺という機械で酸素化した血液を、首にある血管に送るというしくみが一般的です。

 人工肺に入る前の“暗赤色となっている酸素の少ない血液”が、人工肺のエクモを通ると血液が酸素化され“酸素の多い鮮血色の血液”となって患者の体内へと戻ります。換言すれば人工呼吸器は補助、エクモは代替えという事になるのでしょうか。

 人工呼吸器および ECMO 装置の取扱台数等に関する緊急調査によると、推定値であり、概算にすぎませんが、人工呼吸器の推定保有台数約45,000台、ECMO装置の推定保有台数は2,200台程度と考えられている様です。

 全国の臨床工学技士は約2万8,000人だそうですがが、その内エクモの操作に習熟している技師は1,000 人以下だそうです。日本呼吸療法医学会・危機管理委員会は、日本での急性呼吸不全症例に対する体外式膜型人工肺(ECMO: Extracorporeal membrane oxygenation)による治療成績を向上させることを目的として、ECMOプロジェクトを開始した様です。

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