SSブログ

東京の初乗短縮410円になった訳

 今回は「東京の初乗短縮410円の訳」を書こうと思います。

 皆さんもご存じの通り、東京のタクシーの初乗料金が410円に改定されました。国交省の平成28年11月の資料によれば、「仮に現時点で、運賃改定を行うこととした場合に、前回(平成19年度)運賃改定時の原価計算事業者28者の 実績値を基に試算すると、運賃値上げとなる。」とされていました。

 値上げ後の料金は、「現行運賃を値上げす る場合、初乗り運賃は 810円(2km)になる。」と記載されています。

 なので、本当の意味での運賃改定では、初乗810円が適正価格だったという事になります。

 そこで「これ、まずいんじゃネ」という事になり、これを初乗料金の引き下げと中長距離で調整して「組み替え」とすることで、値上げとならないとされたものです。

 なので、値上げを前提にして組み換えを行っているので、ある程度以上の距離を乗車すると以前より高くなるのは、値上げを前提とした「組み換え」なので「自明の理」・・・です。

 ちょうどよい事に「日本のタクシーって高くネ?」という声と、「国際的な主要都市間と同程度の運賃を実現し、増加する訪日外国人のニーズに応える。」、「増加する高齢者をはじめとする短距離需要の喚起を図る。」事を背景に「タクシー初乗り運賃の引下げを行う。」事となりました。

 その時は未だ初乗運賃を410円にした時、どの様な結果になるか国交省も?だったと思います。あくまで机上の計算で導き出されたと410円と、実質値上げ目的の運賃改定が利用者の目にどう映るか・・・

 消費者委員会公共料金等専門調査会は、結論として「今回の運賃組替え案については、方向性としては理解出来るものの、2.に述べる通り、中長距離(概ね4km 以上)運賃の値上げを伴うことの必要性については必ずしも明白ではないため、組替え案の実施に当たっては、国土交通省において、丁寧な事後の検証や、負担が増加する中長距離利用者への対応等を行うことが必要である。また、消費者利益の増進を一層図る観点から、国土交通省は3.に示す留意事項に関する対応についても事業者と協力して併せて実施すべきである。」としています。

 初乗短縮の410円は、初めから「組み換え」による値上げをカモフラージュする物の様に捉えられても・・・って言うかタクシー事業者は「初乗410円は実質は値上げ」の事に触れていません。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:求人・転職

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント