ＡＢ賃金の賞与計算

　今回はＡＢ賃金の賞与計算を書こうと思います。

　前回は、足切46万円以下は歩率46％の場合、足切金額46万円以上の歩率が63.14％以上であれば営収60万円で給料30万円になる計算と書きました。

　しかし、営収47万円でも歩率60％になってしまうので、実際無理なのではないかと書きました。

　では賞与を組み合わせて、労使が有る程度納得出来る方法が無いかを考えてみました。前に書いた様に、「鍵」は賞与に累進歩合は禁止されていない事です。

　目標は、営収60万に対して、賞与部分も含めた歩率を60％にする事で、足切以上は50％の歩率です。賞与を55万円から支給し営収が増えるごとに賞与歩率も増える累進歩合とします。55万円で9.5％、60万円で10％、65万円で10.5％、70万円で11％、75万円で11.5％、80万円で12％、85万円で12.5％、90万円で13％、として計算してみます。

　55万円→221500＋（55万円―46万円）×50％＝256600円、賞与を加えてもトータルの歩率は56.2％となり同様に、56.9％、57.7％、58.4％、59.0％、59.7％、60.3％、61％となり、総歩率が60％を超えるのは、営収85万円からになってしまいます。

　累進歩合で計算すれば、営収60万円で給与歩率50％＋賞与歩率10％で簡単な事ですが、積算歩合で計算すると・・・かなり難しいと思います。

　試しに足切金額46万円以下では歩率46％、足切金額以上では積算歩合として歩率70％で計算してみました。例えば営収60万円では、46万円×46％＋（60万円―46万円）×70％＝211600円＋98000円＝309600円になり歩率は51.6％になります。そこに賞与で9％加えると、309600円＋54000円（60万円×9％）＝363600円になり、トータルの歩合率は60.6％になります。

　賞与歩合率は営収55万円から5万円刻みで、9％～13％で計算すると、トータルの歩合率が営収74万円で65％を超え、91万円で70％を超え100万円で71.8％になる計算です。

　どうでしょう、せっかくのＡＢ賃なのですから、累進歩合が否定されていな賞与を上手く使って給料を計算するのも一つの方法では無いでしょうか？

　今回も単なる数字遊び感が漂っている様です。