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Kmの雇止め訴訟・高裁判決

 今回は「Kmの雇止め訴訟・高裁判決」を書こうと思います。

 前回、東京地裁でKmの雇止め訴訟の判決が有った事を書きました。裁判所は原告12人と労働組合に対し会社側があわせておよそ4,000万円の支払いを命じましが勝訴した様です。その控訴審の判決が2019年2月13日に東京高裁で有りました。

 内容は、一審判決が概ね維持され、全12人と労働組合に対する慰謝料と、12人中6人について雇用継続拒否から現在までの未払い残業代が認められました。会社に対する支払い命令は、計約4,400万円になり第1審より増えたよ言うです。

 原告となった運転手は、年齢ごとに65歳の3人、66〜74歳の7人、75歳の2人、という3つの年齢帯に分けられています。裁判では、それぞれについて、雇用を継続しなかったことが適当か同課かが争われましたた。

 訴訟の具体的な争点は「労働契約法19条」が及ぶかどうかになっていた様です。同19条は「雇止め法理」を法定化した物です。「雇止め法理」とは、労働契約法は原則として「使用者が有期契約の期間の満了に際して、満了後は契約を更新しない旨を通知した場合には、労働契約は当然終了すること」になります。

 この原則を貫いた場合には、有期労働者の法的地位が不安定になってしまいます。そこで、これまでの判例では「契約形式」ではなく「実態」に基づいて有期労働者の保護を図ろうとしてきました。それが「雇止め法理」といわれるものです。

 判決では、19条が「雇止めの法理」により、1・契約を反復更新している有期労働者や、2・契約更新を期待することに合理的理由がある有期労働者について、「客観的に合理的な理由」などがなければ、会社側が契約更新を拒否できないとしている事から第1審同様、反復更新があったことなどから、有期契約だった66〜74歳の年齢帯については、社員の地位にあると判断しました。そして会社に対し、全12人と労働組合に対する慰謝料と、12人中6人について雇用継続拒否から現在までの未払い残業代が認められ未払い残業代の支払いを命じました。但し、7人のうち1人については、休業期間が長いことから、雇止めは有効とされ、逆転敗訴となってしまいました。

 それ以外の年齢帯の運転手は、65歳で定年後再雇用されなかった社員については、雇用継続の拒否を認め、75歳の運転手については高齢であることなどを理由に、契約更新への合理的期待は認めらないとしました。

 また、雇用継続の拒否は、原告らが裁判を起こしたことが理由だとして、一審同様と労働組合に対する慰謝料を認めました。

 結局、タクシー乗務員「残業代求めたら雇用継続拒否」裁判は高裁でも「Km・国際自動車」に賠償命令・・・です。

 Kmは残業代訴訟の時の様に逆転を狙って上告をするかどうか?・・・見ものです。


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