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トヨタのジャパンタクシー車椅子問題への対応

  今回は「トヨタのジャパンタクシー車椅子問題への対応」を書こうと思います。

 トヨタはジャパンタクシーの車椅子乗車問題に対し、2つの対応を取った様です。先ず1つ目はスロープ改良版を来年1月販売分から登場させる様です。改良版と言っても現在、客室と荷室に1枚ずつ収納しているスロープ板を客室に2枚重ねにして置く仕様の様です。

 昨年の10月の発売以降乗車時間の準備に時間が掛かり、作業が煩雑と言った事で乗務員の中には不慣れな為、乗車を引き受ける事をためらう乗務員が少なく無いそうです。

 2つ目は「車椅子作業手順シート」を作成し、12月上旬から販売店を通じ導入事業者に配布する様です。配布差するのはラミネート加工した両面印刷の1枚の紙です。現場で取り扱い説明書確認しなくても済むようにしたそうです。

 トヨタによれば「スムーズにできる様にすれば5分~8分の作業」としています。

 作業内容は、後部シートを跳ね上げ乗車スペースを作る→スロープを設置する→車椅子を乗せる→車内で90度回転、ベルトで固定、シートベルトの装着、になっています。

 こうして言葉で書くと、簡単に聞こえますが、「車椅子作業手順シート」では、車椅子へのシートベルトの装着は手順17番目の様です。

 全タクレンは、「車内研修で定期的に実車を使用して作業手順を確認し、トラブル防止に努めて欲しい」と事業者に求めています。

 発売後すぐに問題が指摘されたジャパンタクシーの車椅子問題を、1年も経過して、それも単なる「両面刷の作業シート」の配布やスロープの改良版を作成するなど、車椅子問題に対しスピード感と技術革新が感じられません。

 一方、車椅子は四方を壁に囲まれた後ろに押し込められて、荷物扱いを受けている感じがする、という意見も耳にします。良く解釈すると。トヨタのジャパンタクシーがやりたかった事は、乗車に手間と時間がかかっても「客室内に乗ってもらいたかった」のではと思う事も出来ますが、抑々、乗車の際に広いスペースが無いと乗車出来ない事、乗車に非常に時間が掛かる事を考えると、トヨタの「室内に乗ってもらいたかった」という事は、現在、夢物語に終わっています。抑々止めて乗車することすら困難なジャパンタクシーです。

 アメリカのバンクバーには、トヨタのプラットフォームはカムリと共用している「シエナ」というミニバンタイプの後部から車椅子が乗車出来るタクシーが有る様で、2分~3分で乗車可能の様です。

 因みに、偶に見かける事が有る通称ブラックキャブのロンドンタクシーもジャパンタクシーと同様に車輌サイドから乗車するタイプです。1つ違うのは後部ドアの形状です。他に大きく違う所は、ブラックキャブは最初から1枚目のスロープが車内に設置されていて引き出して、2枚目を後部から出して繋げるだけの様です。

 トヨタのジャパンタクシーには手順が17も有るのでは、乗務員は敬遠する事は、最初から予想していた事ではないでしょうか。それを分かっていて「GO」の指示を出した全タク連の責任も大きいと思います。いや、むしろ全タク連と設計に意見を出した大手事業者の責任ではないでしょうか。

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