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タクシー会社の「ホワイト経営」運送事業者認証制度

 今回はタクシー会社の「ホワイト経営」運送事業者認証制度を書こうと思います。

 皮肉っている訳では無いのですが、「タクシー会社の経営」と「ホワイト経営」は全く馴染まない様な気がします。ホワイトに対する言葉はブラックで、「ホワイト経営」に対しては「ブラック経営」です。

 一時ブラック企業が話題になりました。ブラック企業には明確な定義はありませんが、ある程度特徴が有ると思います。

 例えば、強制的なサービス残業、残業時間が非常に多い、辞められない、不可能なノルマ、ルールが整備されていない、パワハラ・モラハラの横行などです。2016年に大手広告代理店の女性社員が過労自殺したニュースが話題になった事も有りました。

 これらの体質を持った企業がブラック企業と呼ばれる事が多いと思います。

 東京ハイ・タク協会の労務委員会が開催され、「働き方改革アクションプラン」について議論された様です。とは経団連が2017年、経済界全体の働き方改革をさらに加速させるため「働き方改革 CHALLENGE 2017」を展開し、この取組みの一環として、働き方改革推進の自主行動計画「働き方改革アクションプラン」というものを作成しました。

 策定したのは、(1) 長時間労働の是正(2) 、年次有給休暇の取得促進、(3) 柔軟な働き方の促進の3項目です。

 この策定した改革に取り組む運送事業者を認証する新制度を創設する様です。これが「ホワイト経営」認証制度です。

 働き方改革関連法案・付帯決議に盛り込まれた「時間外労働の上限規制の適用が猶予される業務」(時間外労働の上限規制の適用が猶予される業務について、当該業務特有の事情を踏まえたきめ細かな取組を省庁横断的に実施して労働時間の短縮を図り、上限規制の適用に向けた環境の整備を進めること。特に、自動車運転業務については、長時間労働の実態があることに留意し、改正法施行後五年後の特例適用までの間、過労死の発生を防止する観点から改善基準告示の見直しを行うなど必要な施策の検討を進めること。)と有りますが、おかしい様な気がします。

 抑々タクシーの働き方改革は一般産業と時間外労働の格差をなくすのが目的の様ですが、考えてみればわかる事ですが、労働時間を短くすれば当然営収は減少し、その結果、賃金の低下につながります。

 ここでおかしな現象が生じます。「ホワイト経営」に取り組む会社ほど労働時間が制約されるので稼げなくなり乗務員がいなくなって、行わない会社ほど稼げるので乗務員が集まります。

 おかしくないですか?

 乗務員の収入を考えた場合、歩合給偏重の給与体系を見直すか、生産性を向上するか、運賃を見直すか・・・しかない様な気がします。

「ホワイト経営?」・・・今のタクシー業界では理想論で、認証制度はナンセンスの様な気がしますが。

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